◎ 運動
シーズーは、小柄な体型ですが、見た目よりスタミナの
ある犬種です。
室内で放し飼いにしていても、それ以外の運動も必要と
しますので、1日に2回ほど散歩に連れ出しましょう。
目安は30分ほどで十分かと思います。
ただ、シーズーは体高が低く、地面からの反射熱の影響
を受けやすいので、なるべく涼しい時間帯を選んでお散歩
するのがいいかと思います。
特に夏場の散歩は気をつけましょう。
◎ 食事
食事は、バランスの取れたドッグフードが好ましいでしょう。
人間と同じ食べ物を与えることは、栄養学的に不足の傾向が強くなったり、
また様々な病気の元となる肥満も引き起こしやすくなります。
さらに、人間にとっておいしい、栄養のある食べ物でも、
犬にとっては体の負担になる食べ物も多くあります。
それらを踏まえても、犬の食事にはドッグフードが最適だといえるでしょう。
回数は、成犬で朝晩の2回が目安です。
量はパッケージに記載の量を目安とし、犬の様子や便の状態を確認しながら
加減していくといいでしょう。(便が硬い→少なすぎ・便が柔らかい→多すぎ)
◎ 飼育環境
シーズーは高温多湿が非常に苦手なため、屋外飼育には向きません。
室内での飼育が基本です。
特徴的なぺちゃんこの鼻が、幸いにも泣き声を響かせないため、
集合住宅で飼う事も出来る犬種です。
室温は25℃前後に保ちましょう。
お利口でお留守番もできる性格ですが、本来はペット用として繁殖された犬です。
長い時間一人ぼっちにさせておくと、一時的に反抗的になる場合もあります。
あまり寂しい思いはさせないでくださいね。
シーズーは、その長い毛並みが元で、体臭がきついと思われがちですが、
そんなことはありません。
きちんと手入れをすれば問題ないのです。
ここでは、シーズーの普段のお手入れに関する情報をまとめました。
◎ 被毛
・
ブラッシング(ロングヘアの場合):
毛玉はあらかじめほぐしておくようにします。
根元からではなく、毛先のほうから徐々にブラッシングしていきます。
片側ずつのパーツに分けると、全体をしっかりとかすことができます。
・
ブラッシング(ショートカットの場合):
ピンブラシでもよいですが、ソフトなタイプのスリッカーブラシもいいでしょう。
抜け毛やごみを取るために、皮膚に対して平行に滑らすようにします。
コームで顔周りをとかします。
◎ 耳のお手入れ
1~2週間に1度の目安で手入れしてあげます。
イヤーローションを耳に適量注入し、付け根を揉みこんで汚れを浮き出させたあと、
ガーゼなどで拭き取ります。
細かいところは綿棒で拭き取るとよいでしょう。
◎ 目のお手入れ
いつもきれいな瞳を保つためにも、定期的な目の手入れが必要です。
シーズーの目は、少々前に目が突き出た感じになっていますので、
ごみが入りやすかったり、傷がつきやすくなっています。
顔周りの毛は縛ってあげましょう。
涙や目やにがあるときは、コットンで優しくふいてあげ、涙やけの予防をしましょう。
アイローションは涙やけを悪化させないために有効なローションです。
用意できれば、コットンに含ませてからふいてあげましょう。
◎ 爪のお手入れ
爪切りは少々難しいお手入れの一つですが、衛生面を考えても必要なお手入れです。
爪切りを怠ると、元々爪の中にある神経や血管が先端の方にまで伸びてきてしまい、
いざ爪きりするときに出血を伴うようになってしまいます。
そうなる前に、定期的に爪きりを行うようにしてください。
シャンプー後は多少切りやすくなります。
深く切り過ぎないようにしましょう。
◎ トリミング、シャンプー、肛門腺絞り
基本的に、ご自分でやるのが面倒な場合は、毛のカットを兼ねてシャンプー、
ツメ切り、肛門腺絞りともにトリミングサロンに依頼するのが一番簡単です。
この場合、1ヶ月~1.5ヶ月に1回は連れて行ってあげるようにしてください。
シャンプーについては、ぬるめのシャワーで、
水圧を低くして足先からゆっくり洗っていきます。
洗う順番は、足→おしり→体→頭の順です
(目や耳のなかに水が入らないように十分注意してあげてください。)
おしりを洗う際に、ついでに肛門腺も絞ってあげるのがおすすめです。
定期的に絞ってあげないと炎症を起こす場合があります。
最後にさっきと逆の順番で、頭→体→おしり→足先の順に洗い流していきます。
すすぎ残しがないようにしっかりと流して、最後はドライヤーで完全に乾かします。
ここで完全に乾かさないと、湿った所から毛玉ができてしまいます。
シーズーは見かけによらずタフで、体が丈夫といわれていることから、病気もしづらい犬種です。
しかし、鼻の短い短頭種の犬に多く見られる病気には十分気をつけたいということから、
参考のためにそれらの病気を含め、紹介します。
◎ 気管虚脱
(症状)
先天的な異常や、老化・肥満により、
気管が平たく変形してしまう病気で、夏場に発症します。
呼吸がゼーゼーしたり、乾いた咳をするようになります。
さらに呼吸困難の状態が続くと、舌が紫色になり、チアノーゼ(酸欠状態)になります。
治療が遅れて長い間こうした状態が続くと、失神したり、
万が一救命できても脳や肺に障害を残してしまうことがあります。
軽度の場合は投薬で治療しますが、重度になると外科手術を施すケースもあるようです。
(対策)
子犬のときから食事管理に気をつけて、肥満を予防することが大切です。
夏場は発作を誘発しやすいので、過度な運動は避けましょう。
首輪の使用で、咳を誘発することも考えられるので、状況に応じて、
ハーネス(胴輪)に変えることも考えましょう。
もしも発症した場合は、早急に病院で治療を受けましょう。
◎ 外耳炎
(症状)
垂れ耳の犬種に多い病気です。
主にムレが原因で発生した細菌が炎症を引き起こします。
かゆみ、耳垢がたまると言った症状です。
(対策)
こまめな耳掃除。おかしな臭いがする、などの変化に気づいた時は、
薬をつけて掃除をしてあげてください。
◎ 眼瞼内反症
(症状)
まぶたが内側に巻き込んでいる(内反)ことによって、まつげの表面が常時目の表面を
刺激するため、不快感や痛みが生じ、目やにや涙の過剰分泌等につながります。
原因の多くは先天的なものです。
(対策)
症状は子犬のときから現れるので、上記のような症状があった場合には
獣医師の診断を受け、早めに手術などの適切な処置を受けましょう。
◎ 熱中症
(症状)
温度が上がった室内や車内での留守番で、急激に体温が上昇して、
呼吸困難やよだれが大量にでます。
嘔吐や下痢をすることもあり、さらに症状が進行すると、脱水・酸欠状態に陥り、
ぐったりして意識をなくしたり、痙攣症状がみられるようになります。
もっと深刻になると、命にかかわるショック状態に陥ることもあります。
シーズーやパグに代表される短頭種や、肥満気味の犬など、
呼吸機能が比較的弱い犬に発症しやすい病気です。
(対策)
極端に炎天下での散歩や運動、高温多湿の室内や車内での留守番は避けます。
犬は汗をかかないため、体の構造上、人間のように発汗による体温調節ができません。
口での呼吸で体温調節をせざるを得ないため、
人間に比べて暑さにも弱く、熱中症になりやすいのです。
どうしても留守番が必要という時は、室内や車内の温度管理を徹底してください。
肥満気味の場合、皮下脂肪が断熱材の働きをすることで、
熱が体内にこもりやすくなります。
加えて、首周りの脂肪によって呼吸器官が圧迫されて正常に呼吸できなくなり、
体温調節がうまく出来ないため、熱中症になりやすい傾向が見られます。
以上のことから、シーズーの過ごす環境(特に温度管理)に注意し、
食事管理によって肥満予防も徹底することで、この病気の予防に努めましょう。
万が一熱中症になってしまった場合の応急処置は、下記を参考にしてください。
*意識がある場合
・早急に体を冷やし、水分を補給させてください。
・体に冷水をかけたりして急いで体温を下げること。
・水が飲める状態であれば、冷水やスポーツドリンクなどをたくさん飲ませてください。
・その後、なるべく早く病院に連れて行って、適切な処置を受けてください。
*意識がない場合
・冷水をかけて体を冷やしたあと、早急に病院へ搬送してください。
・意識がないとパニックになって病院へ行くことだけを考えてしまいがちですが、
まずは体を冷やす応急処置がその後の状態を左右しますので、
”
とにかく体を冷やす”ということを忘れないでください。
◎ 鼻腔狹窄(びこうきょうさく)
(症状)
生まれつき、鼻の穴が小さいため、呼吸がしづらいため、
いびきをかいたりなどの症状が見られます。
症状が進行すると、心臓病の原因になる事もあります。
ひどい場合は外科手術を施す事もあります。
(対策)
生まれつきのものですので、予防法はありませんが、呼吸しづらそうな
症状が見られたら、早めに獣医師診断を受けて、治療を開始しましょう。